レンタルサーバ選びで失敗しない!Disk編
1.はじめに
Diskサイズが重要な理由
レンタルサーバを選ぶ際に「Diskサイズ(ディスク容量)」は、多くの方が注目するポイントの一つです。
でも、なぜDiskサイズがそれほど重要なのか、具体的な理由を理解している方は少ないかもしれません。
この記事では、DiskサイズがどのようにWebサイト運営に影響を与えるのかを分かりやすく解説したいと思います。
1-1. Diskに格納されるデータとは?
Diskにはどの様なデータが含まれるのでしょうか?
WEBサイトのコンテンツなどが思い浮かびますが、それだけではなく、以下のようなデータを全て含みます:
• サイトのプログラムファイル(例:HTML, CSS, JavaScript, PHPなど)
• データベース(例:MySQL)
• メディアファイル(例:画像、動画、PDF)
• ログデータ(アクセスログ、エラーログなど)
1-2. サイトの成長に合わせDiskも増える。
サイトの規模が大きくなるほど必要なDiskサイズは増加します。
一般的に言われるサイトの規模と必要なデータサイズを表にしてみます。
サイト | 必要なサイズ |
小規模サイト(ブログや個人サイト) | 5GB程度のDiskサイズで十分な場合が多い。 |
中規模サイト(企業サイトやECサイト) | 20GB以上を検討 |
大規模サイト(動画配信、SNS、オンラインゲーム) | 数百GB~1TB以上が必要 |
成長するにつれて容量が足りなくなれば、サーバのプランを変更したり、追加のDisk容量を購入する必要が出てきます。
そのため、長期的な視点で適切なDiskサイズを選ぶことが重要です!
1-3. コストとパフォーマンスのバランス
Diskサイズが大きいプランほど料金が高くなります。
例として、 Xserverのスタンダードプランとプレミアムプランのデータ量と料金を比較します。
両者の差は、ディスクサイズのみです。
100ギガの違いで、2倍の料金差があることが分かります。
プラン | ディスクサイズ | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 24ヶ月 | 36ヶ月 |
スタンダード | 500ギガ | 1320 | 1210 | 1100 | 1045 | 990 |
プレミアム | 600ギガ | 2640 | 2420 | 2200 | 2090 | 1980 |
つまり、必要以上に大きなDiskサイズを選ぶと、コストが無駄になります。
一方で、容量が不足するとサイト運営がたち行かなくなるので、よく考える必要があります。
• 小さすぎるDiskサイズ: サイト運営中に容量不足で困る可能性がある。
• 大きすぎるDiskサイズ: 無駄なコストが発生し、運営の利益率が下がる。
1-4. ユーザー体験(UX)への影響
Diskサイズが不足すると、以下のような問題が発生し、ユーザー体験に悪影響を与える可能性があります:
• サイトの動作が不安定になる(キャッシュ不足など)
• 必要なアップデートや追加コンテンツを提供できない
• ログファイルの蓄積によるサーバエラー
以前、小さな商店から運営するWEBサイトの立ち上がりが遅いことで相談を受けましたが、
原因は、ブログで使用されていた大量の画像ファイルがディスクを圧迫していたことでした。
ディスク容量が逼迫すると、WEBサーバの表示が遅くなるんだなと感じた経験でした。
まとめ
Diskサイズは、サイト運営の安定性、成長性、そしてコストパフォーマンスに直結する重要な要素です。
適切なサイズを選ぶことは、長期的な運営の成功につながります。
次のセクションでは、用途に応じた必要なDiskサイズの目安を具体的にご紹介します。
2.必要なDiskサイズの考え方
レンタルサーバのDiskサイズは、サイトの用途や規模によって大きく異なります。
それぞれの用途ごとに、必要なDiskサイズの目安とポイントを解説します。
2-1. 個人ブログ・小規模サイトの場合
特徴
• 主にテキスト中心のコンテンツ。
• 必要に応じて画像や軽量なメディアを使用。
• アクセス数がそれほど多くない。
必要なDiskサイズ
• 目安:5GB~10GB
内訳
• テキスト記事:1記事あたり約50KB~100KB。100記事でも数MB程度。
• 画像ファイル:1枚あたり300KB~500KBとして、100枚保存しても約50MB。
• サイトデータベース:小規模ブログなら数十MB~数百MBで十分。
ポイント
• サーバに定期的なバックアップ機能が付いている場合は、多少小さめの容量でも問題ありません。
• 少し余裕を持ったプランを選ぶことで、将来的な記事や画像の増加に対応可能です。
2-2. ECサイトや中規模サイトの場合
特徴
• 商品画像や詳細ページが多い。
• データベースで商品情報や注文データを管理。
• 高い稼働率と安定性が求められる。
必要なDiskサイズ
• 目安:20GB~50GB
内訳
• 商品画像:1商品あたり3~5MB(画像数による)。
• 動画やPDFカタログ:1本あたり10~20MB。
• データベース:商品情報や顧客データを保存するため数GB~10GB程度。
• ログファイル:アクセスやエラー記録で月あたり数百MB~1GB。
ポイント
• 商品の種類やメディアの量に応じて、Diskサイズを増やす必要があります。
• 将来の拡張性を考慮して、上位プランへの移行が簡単なレンタルサーバを選びましょう。
2-3. 動画・画像を多用する大規模サイトの場合
特徴
• 動画や高解像度画像を大量に扱う。
• アクセス数が多く、サーバ負荷が高い。
• 長時間のデータ保存が必要。
必要なDiskサイズ
• 目安:100GB~1TB以上
内訳
• 動画:1本あたり100MB~500MB以上(動画の長さや画質による)。
• 画像:高解像度画像で1枚あたり数MB~数十MB。
• データベース:大規模サイトでは10GB以上になることが多い。
• キャッシュとバックアップ:これだけで数十GB以上になる場合がある。
ポイント
• 動画配信を中心とする場合、レンタルサーバだけでなく、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の活用を検討するとコスト削減に繋がります。
• 大容量が必要な場合は、ストレージ追加オプションやクラウドサービスとの併用も視野に入れましょう。
まとめ
• 個人ブログや小規模サイト: 5GB~10GBが目安。
• ECサイトや中規模サイト: 20GB~50GBで安定運営可能。
• 動画・画像を多用する大規模サイト: 100GB以上、場合によっては1TB以上を検討。
自分のサイトの規模や将来の拡張計画に応じて適切なDiskサイズを選ぶことが、安定したサイト運営に繋がります。
3.レンタルサーバのDiskとは?
Diskと一口に言ってもいくつか種類があります。
ここでは、Diskの仕組みについて、少し説明してみたいと思います。
3−1.Diskサイズの基本的な仕組み
Diskサイズとは、サーバ内でデータを保存できる容量のことを指します。
これは、私たちが普段使っているPCやスマートフォンと同じ様にファイルやデータを保管するためのスペースです。
レンタルサーバにおいては、以下のような用途で使用されます。
3-2. 保存されるデータ
Diskサイズは、主に以下の要素を保管するために使用されます:
• Webページファイル(HTML、CSS、JavaScriptなど)
Webサイトを構築するための基本的なファイル群。
• データベース
サイト内の情報(例:投稿記事、ユーザー情報、注文データ)を保存。
• メディアファイル
画像や動画、PDFなど、視覚的コンテンツを含むファイル。
• キャッシュデータ
サイトの表示速度を向上させるための一時保存ファイル。
• バックアップデータ
予期せぬトラブルに備えて保存されるデータ。
3-2. レンタルサーバでのDisk容量の計測単位
Diskサイズは通常「GB(ギガバイト)」で表されます。一部の大規模サーバでは「TB(テラバイト)」も用いられます。1GBは約1,000MBに相当し、小規模サイトでは数GBから、中規模以上のサイトでは数十GB~数百GBが必要になります。
3-3.提供される容量の種類(SSD、HDD など)
レンタルサーバでは、データを保存するために使用されるストレージにはいくつかの種類があります。主に利用されるのは SSD と HDD の2つです。それぞれの特徴を理解することで、自分に適した選択が可能になります。
HDD(ハードディスクドライブ)
HDDは、従来型のストレージ技術で、物理的なディスクにデータを記録します。
• メリット
• コストが低く、大容量のストレージを比較的安価に提供。
• アーカイブデータや大量のデータ保存に適している。
• デメリット
• 読み書き速度が遅いため、処理速度が求められる用途には不向き。
• 機械的な動作部分があるため、故障リスクが高い。
SSD(ソリッドステートドライブ)
SSDは、フラッシュメモリを使用したストレージで、最近のレンタルサーバでは主流となっています。
• メリット
• データの読み書き速度が非常に速い。
• 機械的な部品がないため、耐久性が高く静音性も優れている。
• サイト表示速度が速くなるため、SEO対策にも効果的。
• デメリット
• HDDと比較してコストが高い。
• 容量単価が高いため、大容量を求める場合は割高になる。
NVMe SSD(最新のSSD技術)
Xserverなど一部の高性能なレンタルサーバでは、従来のSSDよりもさらに高速な NVMe SSD が採用されています。
• 利点
• 通信速度が劇的に向上(HDDの20倍、通常のSSDの3~5倍)。
• 高トラフィックのWebサイトや大規模なデータ処理に最適。
• 注意点
• 価格がさらに高くなるため、必要性を慎重に見極める必要がある。
まとめ
レンタルサーバのDiskサイズは、Webサイトの構築・運営に欠かせない要素です。その選択肢には容量だけでなく、ストレージの種類(SSDやHDD)が関わってきます。基本的には、速さと安定性を求める場合はSSD、コスト重視で大容量を求める場合はHDDが適しています。また、最新技術のNVMe SSDは、高速な処理を求める場合に最適な選択肢となります。
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